北海道剣淵町にある「ビバアルパカ牧場」さん。日本最北にあるアルパカ牧場です。北の大地でのんびりと暮らす頭の牧場の様子をレポートします。特別に飼育体験をさせていただきましたのでその様子も合わせてご紹介!
(取材日:2022年9月)
本州から一番最初にアルパカを迎え入れた牧場
ビバアルパカ牧場さんは2009年にオープンした施設で、本州から一番最初にアルパカを迎え入れました。那須からトラックで海を渡ってやってきました。オープンセレモニーには沢山の来場者がアルパカを一目見ようとかけつけたそうです。(詳しくはアルパカな人とアルパカトークyoutubeもご覧ください)
現在はオス8頭メス4頭の合計12頭が牧場で暮らしています。(※2023年3月現在、オスのルネさんが釧路動物園に出張しています)
ビバアルパカ牧場さんの場所は元スキー場で、ロッジが受付・売店・休憩所になっており、アルパカたちはロッジ側の柵で囲われた「ふれあいデッキ」と呼ばれる放牧場にいます。
受付で入場料を支払い(アルパカのおやつを購入してあげることもできます)ふれあいデッキへ。
柵の中にはいって触れ合うことができますが、来場者が歩ける場所が決まっていますので牧草地エリアには入らないようにしましょう。おやつを持っていると近くまで寄ってきてくれます。
アルパカ牧場1日飼育体験
さて、編集室は朝8時半に牧場へやってきました。1日飼育体験をするためです!
(普段からこのようなオプションはなく、今回の取材のため特別にさせていただきました)
スタッフの本間さんがつなぎを用意してくれていました。草や砂で汚れてしまうから(そして服の中に入ると大変なので)とご配慮いただきました。ありがとうございます!
さっそく着替えてアルパカたちの待つ獣舎へ。獣舎の中は柵でオスとメスに分けられています。
朝にすることは、アルパカたちのトイレの清掃、ブラッシング、えさやり、お水の交換。
獣舎に入る前に消毒された長靴に履き替えます。靴はいろんなところを歩いて様々な菌が付着しているのでアルパカに有害な菌を持ち込まないようにするためです。
編集室はまずブラッシングをお手伝いすることに。
アルパカの横に立ち、腕をアルパカの首に回して密着・アルパカの行動をやんわり静止しつつブラッシング。
さあどうぞ、と言われてやってみるも溢れ出る新米感はアルパカたちにも伝わったようで、(なんだこのへっぴりごしのニンゲンは)(怪しい動きをしてくるぞ…)と警戒されてしまい、捕まえてブラッシングしようにも、すいすいと逃げられる…逃げられる。
「首を持って、しっかり固定すれば逃げませんよ、ほら」とスッと何気なく捕まえてブラッシングするのはもう一人の男性飼育スタッフ「よっちゃんさん」。
スタッフの本間さん曰く、よっちゃんさんにはアルパカたちも一目置いていて、よっちゃんさんを見つけると寄って来たり言う事を聞いてくれるのだそう。たしかによっちゃんさんにブラッシングされているアルパカは皆大人しく、信頼しているおだやかな瞳をしていました。
よっちゃんさんにアドバイスをもらいながら、時にはアルパカを隅に追いやったり、何とか捕まえたりしてブラッシングできるようになってきました。
大人しくブラッシングをさせてくれる子、警戒心の強い子、アルパカの性格はさまざま。
今回オスのアルパカたちをさせてもらったんですが(ここの女の子たちは素人にはなかなか難しいそう。気難しいレディたち)、オスのアルパカたちはみな成人しているので大人なのですが、体の大きい小さいという違いがこんなにもあるのか…と驚きました。編集室は今日1日だけですが、こうやって飼育員のみなさんは毎日個体に触れ、ブラッシングでコミュニケーションを取ることで毎日の体調を感じ取ったりもしているのだなと感じました。
ブラッシングをしている間に、本間さんがアルパカのトイレの清掃を終えているとことでした。本当はトイレ掃除もやりたかったのですが、ブラッシングに時間がかかって出来ず、無念。
綺麗になった部屋で、朝ごはんタイムです。牧草とペレット(栄養を補うもの)をエサ箱に均等にいれていきます。待ってました!とばかりに頭を突っ込んでもぐもぐしはじめました。
次は放牧場のエサ箱に牧草の補充と飲み水の補充。初めて一輪車を使ったのですが、バランスを取るのがとても難しい!そして重い。よろよろとなんとかエサ箱までたどり着いて補充することができました。
朝のお仕事は終了。これを普段は一人でこなしているそうです。うーん、大変!
オープンの時間10時になり、本間さんはロッジで受付や事務作業を行います。
原毛のゴミを取り、きれいにしてオンライン販売
アルパカ原毛のオンラインショップを立ち上げたビバアルパカ牧場さん。原毛の注文が入る前に、アルパカ原毛を綺麗にしておくという仕事があるので、そちらを手伝わせていただくことに。
既に洗われて綺麗に見えるアルパカの毛ですが、まだまだゴミや砂が付着しているので手作業で取り除く必要があります。洗うだけでも大変な作業ですが、このごみ取りが厄介で手間がかかるため毛の製品を作るのを諦めてしまう施設もあるくらいなのです。
ビバアルパカ牧場さんでは2年ごとに毛刈りを行なっています。そうして刈り取られた毛を本間さんがせっせと洗い綺麗な原毛にして、毛を紡ぐ作家さんに渡し、マフラーや帽子などを編んでもらって牧場で販売しています。
原毛を買う人の中には1kg購入する人もいて、その場合は注文が入ったら必死で用意しないといけなくてちょっと慌ててしまうとおっしゃっていました。
そんな話をしながら、新聞をしいたテーブルの上で、ひたすら原毛を割いて割いて砂や汚れを減らしていきます。毛の中の砂かな?と思ったら固まった毛に付着している脂(あぶら)。こういうものも汚れの一つとして取り除いていきます。
原毛のオンラインストアはこちら→WEB
牧場のアルパカの様子
取材日がオスのアルパカ「チョコ」さんが4歳のお誕生日だということで蝶ネクタイでおめかししていました。
ビバアルパカ牧場さんのアルパカたちは、オスのほうが接客上手とのことです。こちらは本間さんによくツバをかけてくる気の強いアメリカ女子ミスティさん。(仲良しに見えますけどね)
女の子アルパカ大好きなオレンジさんは毎日毎日メスの柵の周りを行ったり来たり。そうしてその道には草が生えなくなり「オレンジロード」と呼ばれる道ができていました。
丘の上の秘密基地
ビバアルパカ牧場さんの敷地の山頂には「オトナの秘密基地」と呼ばれる素敵な小屋とテラスがあります。
受付で山カフェチケットを購入し、車で山頂までドライブ。
元スキー場なのでとてもなだらかな坂道を上がっていきますよ。所要時間は五分ほど。
山頂からの雄大な北海道の景色を見ながらお茶を楽しめます。また、白樺プレートにその日の記念のメッセージを描いたら、山小屋の壁面に飾ってもらえます。(お茶代、白樺プレート代は含まれています)
一日中、のんびりとできるビバアルパカ牧場さん。編集室も1日牧場で過ごしてみて、雄大な自然の中で穏やかにのんびりと過ごしているアルパカたちをみてとても心が満たされました。
ビバアルパカ牧場さんは年中無休で、冬になるとスキー場を生かしてスノーアクティビティが楽しめます。
何度も訪れたくなるそんなアルパカ牧場です。
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